またもや書いてため込んでいたものの公開。
今回のネタは輪廻転生シリーズの最遊記ネタなのですが。
サイトに載せるつもりが、オチが思いつかずに断念。
だけど長く書いたから勿体無いなーと思ってこちらにアップしてみました。
八戒の出番のみのネタです↓
目を開けると片方の目は白を写し、片方には星が瞬く夜空を写しました。
少し視線を下にずらすと、金髪の男と黒髪の男。
左右を見ると、茶髪の少年と赤髪の男。
現在の時刻は深夜…夜明けにはまだまだ時間がある時間帯。
眠る男達の中で、目を瞬かせる。
眠れる時に眠っておくのが旅の常識なのでしょうが、眠れないものは眠れない。
横二人の鼾が煩いとか、そういう問題ではなく。
他者が触れるぐらい近くにいる、というのがどうしても眠れない環境を作ってしまっているんです。
そうは言っていられないのですが、やはりどうも眠りは浅くなってしまいます。
近くの木の下にでも行こうかと思うのですが…そこまで離れてもし万が一があった場合、置いていかれそうですしね。
…どうしたものでしょう。
「眠れませんか?」
「!八戒、さん…」
前二人は寝ているのか判別付かなかったのですが、どうやら八戒だけは起きていたみたいですね。
…それとも、起こしてしまったのでしょうか。
「旅が慣れない内は休んでおかないと、明日が大変ですよ。煩い人たちに挟まれてますし」
「…そうですね、ちゃんと寝ます」
嘘ですけど。
「嘘ですね?」
「……………」
…あれ、なんかこの人、怖い気がします。
「なーんて、勘だったんですが当たりですか?」
……当たりですけど。
「出会ってまだ数日しか経っていないんですから、僕らを警戒するのも仕方ないですね」
「…………」
「片割れを失ったばかりだと、余計に」
「…………」
片割れ。
呪わしい力を分かち合った関係でも片割れと言うんでしょうか。
どういう訳か、いつもいつも呪われた力を分かち合う私達。
姉弟よりも双子よりもとてもとても深い繋がり。
云わば、自分自身。
「…誰か、亡くしたんですか?」
「えぇ、随分前に。大切だった…自分の命を犠牲にしても守りたかった人がいました」
「…そうですか」
「それがこうやってのうのうと生きてる訳ですから、人生は分かりませんね」
「どうして生きてるんですか?」
「余り大きな声では言えませんけど、誰かさん達のおかげですね」
「そう、ですか」
生きるということは案外難しく、死ぬということは案外簡単です。
少しの希望があれば、誰だって生きることは出来るし、少しも意識がなければ、誰だって死ぬことは出来る。
少しも絶望がなければ、誰だって生きることは出来る。少しの勇気があれば、誰だって死ぬことは出来る。
生きることは殊更難しいし、死ぬことは殊更簡単です。
「私が生きているのは、死ぬのが無意味だからです」
私は知っている。
生きることの無意味さを。
死ぬことの、無意味さを。
「死んでも、巡るばかり」
巡っては巡り、巡っては巡り続ける。
ならば死ぬのも生きるのもただ只管に無意味。
きっと今、この瞬間にでもあの子も巡っている。
「きっと貴方達は血反吐を吐きながらも無様を晒しながらも醜態を見せながらも今生を生き抜くのでしょうね。
貴方達はそれでいい、それで終わる。巡り続けていても貴方達自身は終わりを告げる。
だけれど、六道の魂を持つ私は…私達は終わらない、終われない…あの子もまた、今、この瞬間にも巡っているから、いつか会える」
だから哀しくはない。
悲しくはない。
また会えるのを知っているから、かなしくは…ない。
絶対に会える。
今生で会えるのかは…分からないけれど、会えるのは知っているから生き続けている。
一人になっても、会えるのを知っているから。
「ただ、すこし、さびしい」
一人になるのは久しぶりなんです。
いつも二人で巡ってきた。
だから、少し、本当に少しだけ、さびしい……
「残念ですね」
「…はい?」
「この人たちは毎日騒がしいですから、きっと寂しさなんて感じる暇もありませんよ」
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オチが思いついたら続きを書きます。
私的に八戒さんが抱っこして、スヤスヤを想像してみた。
きっと屍なら丈夫な子だよ←
仕事中の休憩中に書いていたのを公開しているので、連続投稿。
前々回のボカロと輪廻転生物語の混合。
これで完結ー。
○手負いのネコのような屍○
「………」
「マスター?」
ソファで転寝をしてる姿を見たから気を利かせたレンが毛布を取って来て掛けようとしたらしい、と寝ぼけながらも冷めた頭で冷静に分析する。
地面に落ちた毛布。
組み敷く私。
呆然と見上げてくるレン。
一定の人物以外の気配が近付いたら起きる体質の私。
気配のないレン。
気配を感じずに触れてきた誰かをソファに組み敷いた私。
笑うレン。
首に突きつけるナイフ。
「どうしたの?マスター」
気付かないで、レンは笑う。
「風邪引いちゃうよ?」
何も知らないレンは、無邪気にわらう。
○えんがちょ!○
人間はやっぱり汚いな、とレンを見ていて思うようになった。
レンは何も知らない。
レンは無邪気に笑う。
ナイフを突きつけられていることも知らずに笑っていたこともあった。
疑う、窺う、探る、殺す、汚い人間。
歌うことしか知らないアンドロイド。
レンはただ笑って、歌う。
「マスターが笑ってくれますように!」
レンは、純粋に願いながら歌う。
アンドロイドは、キレイに歌う。
「人間はやっぱりキタナイ」
○レンがないた日○
幻覚が効かなくなった。
あるマフィアの殲滅に、守護者が何名か付いた。
罠だと分かりながら突っ走った私と骸と雲雀と、止めようとしつつも呆れながら付いてきた沢田綱吉。
ある部屋に一人、閉じ込められ戦いを強要され、言うとおりにしなげれば三人が殺されるらしい。
正直、三人がどうなろうと関係ない(自分達でなんとかするでしょうし)
戦いは嫌いではないが、誰かに強要されるのは嫌いです。
ルールはコロシアムのよう。
部屋の外でカメラの映像で見守っているらしい三人。
勝ち抜き戦の中、ルーレットでルールが付け足されていく中で幻覚の使用禁止を引き当ててしまった。
「――――」
右手で忌まわしき瞳を隠す。
特に、この部位の周辺が"見るに耐えない"のだから。
霧の能力を封殺されて、身体の周りから霧が立ち上がる。
「…………」
肌の上にうっすらと施していた幻覚が、解ける。
幻覚で隠していた"古傷"が露になる。
足に腕に首に身体に顔に、目に。
忌まわしき、"手術痕"。
『ずっと、幻覚で隠してきたというのか…しかし、これは』
「……」
『醜い』
「……」
『醜いものだな、六道屍』
「クフフ、何を言うのかと思えば…所詮、人間なんて、みーんな醜いものですよ」
人間なんて汚い。
幾ら私を罵ろうが無駄なことだと言うのに、汚くて醜くて、そして哀れな人間ですね。
私は、平気だと言うのに。
「マスター!!」
泣きながら画面から現れたレン。
あぁ、そうですよね、ネットに繋がっていれば、電気があれば、この子は何処にでも移動することができる。
ぎゅーぎゅーと抱きしめてくるレンの背中を撫でる。
どうして泣いているのですか、アンドロイドの貴方が。
誰かに、苛められたのですか。
「違う、違うよ、マスター…俺、マスターを悪く言われるのが嫌だから、だから…っ」
「私を?」
「悪くいう人なんて、きらい…」
「レン…?」
『何だ、その子どもは…』
「きらい、だいっきらい………マスターを悪くいう奴なんか、"消えちゃえばいいんだ"ぁぁーーー!!」
嗚呼、ダメですよ、そんなことを言ったら。
君だけは、君だけはキレイなアンドロイドのままでいて欲しいのに。
「きえた…?」
"私を悪くいう人間"が消えた。
○愛しい子○
あれから、レンは離れることなく無言で私にぎゅーぎゅーと抱きついてきました。
移動中の車の中では私の膝の上で寝息を立てて眠っています。
「沢田綱吉と雲雀君には幻術を掛けましたが、少し見えてしまったみたいですね」
「そうですか」
「……沢田綱吉は少なからずショックを受けたみたいですよ」
「そうですか」
「雲雀君は変わらずですが」
「でしょうね」
「レン君も、変わりませんね」
「そうですね」
「愛されちゃってますね」
「そうですね」
「嬉しいですか?」
「貴方こそ」
「嬉しいです」
「私もです」
アンドロイドとか人間とかキレイとか汚いとか。
そんなもの関係ない。
彼にも意思があり、人間のように嫌悪するし罵るし負の感情を持っている。
正の感情だけではない。
キレイなだけじゃない。
それなのに彼は私から離れない。
私の変わりに怒るし、私の変わりに泣いてもくれる。
ぎゅーぎゅーと抱きつきながら、泣いてくれた。
痛い?いたい?と心配してくれた。
「クフフ」
可愛いく愛しい子。
○なかないでね○
「レン」
ひっく、ひっく、と泣いているレンを"見上げる"。
「ねぇ、レン」
私はね、知っていたんですよ。
「貴方が、あのマフィアに作られたアンドロイドで、」
霧に隠されたボンゴレの霧の守護者に反応するようにプログラムされていたから、貴方はあの時、パソコンから出てきたのだと。
「このマフィアにプログラムされた合言葉を言えば、貴方のメインシステムは…」
彼らの思うがままなんだと。
「だから、泣かないでください」
君のせいじゃないんですよ。
「ま、ますたぁ…」
「君のせいじゃ、ないんです」
「で、でも…俺が、俺がマスターを刺しちゃったんだぁ!!」
君のせいじゃないんです。
全ては彼らが悪く、ほんの少し油断をしていた私が悪いんです。
「泣かないで、レン」
「う、ううぅぅぅ…」
「レン、貴方が歌っていた、あの詩の意味を知っていますか?」
貴方が私を思って歌った歌。
私の心を歌った歌。
私達を歌った歌。
「あの歌の意味は…――――」
「………ますたー?」
力なく落ちていく手に、絶叫が響き渡った。
○はんにゃら幼女!!○
「クハッ、なんてね!」
クハハハハハ!!驚きましたか?一瞬でもえぇぇっとか思ったでしょう?
ですが、私は霧の守護者の片割れですよ?世界屈指を自負する幻術師です。
人間だろうが、アルコバレーノだろうが、カメラ機器やアンドロイドだろーが、幻術を仕掛けることが出来るに決まってるじゃないですか!
「ま、マスター?」
「クフフ、ショック療法とはよくいったものです。彼らに抗って自らプログラムを上書きとは、大したものですね。レン」
「え、え?」
「とは言え、ギリギリの賭けではあったのですけどね」
レンが本当に私を好きでいてくれなければきっと、ここまでの衝撃を受けなかったでしょうし。
まぁ、私ですから。
「取り合えず、レンを解放出来た今となっては貴方達は邪魔なだけですので」
巡っちゃってくださいね。
○この歌の意味は○
「ねぇねぇマスター」
「はい?」
「さっき言いかけてたさ…この歌に意味はあるの?」
「クフフ、ご想像にお任せします」
「えー!ずるい、マスター!」
「クフフ」
この歌に意味はないよ!
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あの歌に拘ってみた←
多分、本当に屍の詩とか意味はない歌なんだと思う。
繰り返し繰り返し巡り巡りカオスな曲なんだと思う、六道コンビのイメージソングは(笑)
いやしかし、忙しいのに何やってんだか…orz
ちょっと骸と屍の関係を考えてみた。
共に輪廻転生を経験しているだけに仲はすごく良いですけど、利用する時は利用するし囮にだって使うけど変わらず仲が良い変わった関係を想像してみた。
それぐらいじゃ二人の関係は切れませんから。
きっと裏切っても次の日には変わらず会いに行ってると思う←
そんなお話を書いてみた。
未来篇にてあった、クローム(+10)とグロの戦闘後の話。
あ、グロの口調はいまいち分かっていませんのであしからず。
私と骸は、何年も幾度も巡り合ってきた。
何生も行末を共にしてきたため、様々な体験をしてきました。
だからこそ共に信頼しているのだろうとか。
だからこそ誰よりも大切なのだろうとか思われるでしょうが。
実は、そうでもないのです。
「おや?」
「ひひっ、クローム髑髏はどこに行った?」
ピクリピクリと眉を動かす男に、形ばかりの首を傾げる動作をする。
白い制服と肩に付けられた紋章から、現在マフィア界で粋がっているマフィアの一つ…ミルフィオーレのホワイトスペルの一人だと予想出来る。
しかし、何故此処にいるのか。
「骸に此処で待つよう言われたのですが…」
どうして、気味が悪いこの男が来るのでしょうか。
「なるほど、なーるほど貴様が六道屍か」
「…ふむ、骸に騙されたようですねぇ」
クロームと戦っていたらしい男。
恐らく逃走したのだろうクロームが逃げ切るために、私を置いていたのだろう。
まぁ、確かに私なら敵の囮としてはもって来いでしょうし。
「クローム髑髏もいいが、貴様も食べがいがありそうだ」
「……殺してしまってもいいんでしょうか」
塵も残さず消してしまいたいんですが。
「…おや?」
この男の後ろにいるボックス兵器の梟から、覚えのある気配がある。
「…どうやら、殺してはいけないようですね」
正直、面倒臭い。
どうやらこの男のボックス兵器に憑依してミルフィオーレを探るのが今回の目的らしい。
そして、まずはその目的の手段得ることを達したクロームは逃走。
その逃走の囮に私を使った、という訳ですか。
ならば、この男を殺すのは少々具合が悪いですね。
まぁ、付き合って差し上げますよ。
「六道屍、食事会場」
「来なさい」
手加減は出来ませんけどね。
「と格好付けたのはいいですが、もう既に幻覚と入れ替わっているんですよね」
気付くのは何時になるやら。
大体、手加減って難しいんですよ。
「それにしても、あの気持ち悪い男の相手をクロームにさせていたなんて…骸を叱りに行かなければなりませんね」
もしもクロームの身に何かあったらどうしてくれるんですか。
少しでもあの男が触れていたら、どうしてくれましょう。
「あの男は死刑決定、骸はでこぴんで手を打ちましょう」
さーて、クロームも逃げれたみたいですし私も骸の所に行きましょうか。
クロームの状態によってはでこぴんです。
その後は、骸の手伝いをするのも悪くないかもしれないですね。
私と骸は、何年も幾度も巡り合ってきた。
何生も行末を共にしてきたため、様々な体験をしてきました。
だからこそ共に信頼しているのだろうとか。
だからこそ誰よりも大切なのだろうとか思われるでしょうが。
利用するときもあれば、裏切るときもありますよ。
(人間ですしね)
(そういう時もありますよ)
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変な信頼がある二人。それでも姉弟の仲は良好を行き過ぎて溺愛なんだから変わってる←
ちょっと仕事中に思いついたので書いてみた(イイコは真似しないでネ!!)
って言うか、滅多に褒めない上司に褒められて顔が引きつった、サーセン、顔に出やすいんです←
そんな訳で、ちょっとした子ネタ。
輪廻転生シリーズで。
前に書いたボ/カロとの混合。
初顔合わせから、大分経った後の話。
○小噺(ちょっと、とある歌の歌詞をパクってみた←)○
「……え?」
ぽろ、と涙が零れた。
「屍、様?」
「屍しゃん…?」
「屍様?」
意思に関係なくポロリポロリと落ちる水滴…塩辛い、所謂、涙と人が呼ぶもの。
ぽろりぽろり。
クロームが目を見開き、犬が呆然として、千種は息を飲む。
「…屍姉さん」
骸は泣きそうに顔を顔を歪める。
ぽろりぽろり。
「―――嗚呼、」
あの少年の歌が胸に響く。
私の歌を歌う、と言った少年。
私の心を歌う、と言った少年。
その少年が、"私達"を歌う。
「屍様…骸様も、悲しいの?」
「どーしたんれすか、骸しゃんも」
「この歌に、何か意味が…?」
その歌の意味は、
「この歌の意味は…――――」
少年が歌う歌は、私達の胸に痛く、痛く響く。
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はんにゃら幼女!!!!
知ってる人いるかなー、いないかなー………意味はないんだけど、なんだか好きな曲なんです。
復活とボカロの混合を思いついたので書いてみた。
…って言うか中編をすごい書きたいレン君ラブ!
輪廻転生シリーズにてボカロと混合。
ボカロからはレン君しか出てこないよ!(悪のシリーズのレンが好きなんです!)
ちなみに私的レン君設定は可愛くて格好いいよ!
世界観は復活の10年後辺り。
以上、注意してお読みください。
「借りますよ」
利用する理由も、そもそも何を借りるのかも言わずにいる私に沢田綱吉は顔を引きつかせました。
何でしょうね、マフィアのボスとなると意地悪をしたくなると言いますか…丁寧に対応する理由もないですからね、私には。
「えーっと、ボンゴレのネットワークを借りたいんですか?」
「えぇ、調べものがありましてね」
手っ取り早く沢田綱吉の執務室に完備されているパソコンを利用しようと思ったわけです。
正規のやり取りでは時間が掛かりますし、その分マフィアの人間と係わり合いにならなければなりませんからね。
それは御免こうむります。
「調べたいことって?」
「ボンゴレの同盟マフィアの一つです」
「えっ!最高機密情報なんですけど!?」
「勿論、許可をお願い出来ますよね」
「疑問系じゃないし既に見てるじゃないですか!!」
だって拒否はしないと分かっているのですから、答えを待っていては時間の無駄でしょう?
さて、その私が捜し求めているマフィアについて。
このマフィアが曲者でして、どうやら人体実験をしているようなのですが、証拠が出てこないんですよ。
なのにどうして私がそのマフィアが人体実験をしているのか分かったのか。
所謂、経験に基ずく勘、ですね。
一員の一人と遭遇しましたが、あの目はかつてあのエストラーネオファミリーを思い出されます。
人を人とは思っていない、己のマフィアの復興にのみ目を向けて犠牲を厭わない目。
間違いはないのでしょうが、確信を持てていない。
少しでも情報を得たいがために余り近寄らないボンゴレが保有している情報を調べている訳ですが…
「…まぁ、何処にでもいるファミリーですね」
ドンの名前から構成員の人数から場所、所業について。
基本的なものから通常よりは内密な情報を記憶する。
紙媒体で残して他の者の目に触れて支障があっても困りますし、ここからなら沢田綱吉がアクセスしたとしか記録にも残りません。
私が調べていると感ずかれる訳にはいきませんからね。
「このファミリー…」
「おや、ご存知ですか?」
「えぇ、デジタル部門で五指に入るファミリーで、今度完成品を見せてくれるって話をしたところですよ」
「完成品?」
シャットダウンのボタンを押して、振り返る。
思わず食いついてしまいましたが、反応してしまっても仕方ない単語ですよね。
完成品、とは私達のことを言っているのではないのか、と。
「何でも出来るアンドロイドだ、と言ってましたよ」
「アンドロイド?」
「はい。話を聞いた限りでは裏があるような感じではありませんでしたけど…何かあったんですか?」
「…確信は得ていないので言えませんが、少し注意した方が良いかも知れません。まぁ、一個人の戯言ですけどね」
「いえ、いつも屍さんには助かっていますから。注意しておきますね」
「そうですか。……さて、では私はそろそろ…」
「あれ…?シャットダウン出来てませんよ?」
「え?」
失敗したか、ともう一度画面を見た瞬間眩い光が画面から溢れました。
「ッ!」
とっさに目を閉じたのですが、直視してしまったため使い物になりません。
ガタン、と椅子を立って同じく距離を取った沢田綱吉の横に立つ。
通常なら前に立つべきなのでしょうが、もし攻撃が来て私が避けてしまった時に、沢田綱吉も避ける、とは保障できません。
もし、私が防ぐのだと思われて避けなかった場合、私には責任が取れませんからね。
そこまで沢田綱吉と信頼もコンビネーションも長けているつもりはありません。
さて、謎の光の正体は何なのか。
未だチカチカする視界の中、パソコンを確認する。
「マスター?」
黄色の髪に大きな瞳の少年が、そこにいた。
「マスター!俺、鏡音レン!よろしく!」
「…………は?」
「…………い?」
目を見開きながら綱吉は私を見る。
その少年も純粋な笑顔を浮かべながら私を見る。
「……………はい?」
マスターって私、ですか?
「ま、マスターって、屍さんが?」
「そうだよ!俺をインストールしたんだからマスターはマスターだよ!」
何かをインストールした覚えはないのですが…どう意味ですか、これは。
「そ、そもそも君、何処から…?」
「パソコンからに決まってんだろ?」
にゅ、っとパソコンの画面にレンと名乗った少年の腕が入る。
「う、腕が…」
「幻覚、ではないようですね」
あれは本当に腕をパソコンの画面の中に入れています。
そもそも私が幻覚にかかるようなヘマはしません。
「俺は歌声を合成するためのソフトウェアのボーカロイド」
よろしく、と笑うレンに不本意ながら私と沢田綱吉は顔を見合わせた。
「どーなってんの?あのパソコン」
「貴方のパソコンでしょう。私に聞かないでいただけますか?」
どうも要領を得ないと言いますか…あのレンは何者なんですか。
テーブルの上のお菓子を嬉しそうに食べているレンを横目に、私達は小声で話し合う。
「歌うだけのアンドロイド、ですか…」
あのファミリーに関係するのかも知れませんね。
そもそも、あのファミリーを知れべていて出てきたのだから、作為的なものを感じますし。
「屍さん…?」
「アレは私が預かります」
「あ、アレって…ですけど、それはちょっと…」
「心配しなくとも一個人としての扱いを誓いますよ、敵でなければですがね」
あのファミリーに関連する可能性のあるアンドロイド。
傍に置いておいて損はないでしょう。
クフフ、と笑って手招く私を見てレンは少年らしく微笑んで駆け寄ってくる。
「マスター!」
だけれど、彼はアンドロイドなのだから演技なんてお手の物でしょう?
さあ、黒か白か。
楽しませてくださいね?
(抱きついてきた彼を私は受け止めた)(その時から、きっと私は…―――)
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少しずつレンに絆されていく屍を書きたい。
レン君がすごい好きだーー…
そういえば今回、暇もないのに仕事中に(!!)パソコンで打ったため誤入力がすごかったです。
代表は↓です。
NG -1-
「いえ、いつも屍さんには助かっていますから。注意しておきますね」
「そうですか。……さて、では私はそろそろ…」
「あれ…?シャットダウン出来てませんニョ?」
・・・・
「真面目にやる気はあるんですか、沢田綱吉」
「ぎゃあぁぁぁ!ごめんなさい!!噛みましたぁぁぁ!!!!」
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管理人の誤入力が丁度噛んだようになったので載せてみましたw