Memoに書いた通り屍姐御と風紀姉を口説いて両隣に置いてウハウハ(←)する男の子の話。
自分がウハウハしたいだけだったりする←←
だが今までにないグダグダ感。
地味にボンゴレ組が酷い扱いなので注意。
─────まず初めに。
心の綺麗な女の子は世の宝である(外見も可愛ければ尚、吉)
以上、沢田吉宗より
某年某月某日──吉宗心の日記
トラックに吹き飛ばされて気付いたら男の子になっていた。
生まれた先はあの漫画の主人公、ボンゴレ10代目の息子らしい。
色々と錯乱する。
某年某月某日──吉宗心の日記
漸く吹っ切れた。
大好きな女の子を相手に出来ると前向きに思う事にした。
可愛い女の子大好き!
某年某月某日──吉宗心の日記
相変わらずのドジを前世から受け継いでしまったのか、十歩でコケる。
年齢により、そのためか可愛がられる。
某年某月某日──吉宗心の日記
相変わらずのドジを受け継いでしまったのか一日二回はコケる。
年齢により、周りが呆れ始める。
某年某月某日──吉宗心の日記
周囲からの期待が無くなり、扱いが荒くなった。
そんな空気の中に好き好んでいる程、酔狂な人間ではないので大抵を部屋に篭って過ごすようになった。
パソコンなど無駄にスペックが良いため、前世から培って来た技術で情報だけは無駄に入るからもしもの時のために情報を売り買いすることにする。
…ボンゴレ、若い頃と違うんだからそんなに暴れて良いのか、と今度はこっちが呆れた。
某年某月某日──吉宗心の日記
父親に外に連れ出されて迷子になった。
何故かヘンゼルとグレーテルの話を思い出す。
……あれ、死亡フラグ。
だが、路地裏を歩いていたら漆黒の綺麗な女性に会った。
何処までも真っ直ぐな漆黒の瞳が鮮烈に心に刻まれた。
運命かと思った。
「結婚して下さい」
思わず告白を通り越して求婚してしまった。しかも何の捻りもない…だけど、滅多に言われないらしく、それだけで彼女は胸を撃たれたらしく気に入られた。
近くまで送ってもらって、名前を教えて貰った。何でもお姉さんの名前を知る人はこの世で僕とお姉さんだけらしい…すごい!
二人の秘密、自分だけの特別に年甲斐もなくワクワクしていると微笑まれた……かわいかった。
連絡先も教えて貰ってアジト近くまで送ってもらった。
………ただ、誰かに似てる気がする。姉弟?
某年某月某日──吉宗心の日記
突然、部屋に妖艶な女の人が侵入した。
ちょ、ボンゴレのセキュリティ大丈夫?騒ぎになってる様子もないんだけど…後でこっそり僕の周りのセキュリティだけ弄っておこうかな、自分の安全のために。他は良いや。
「クフフ、君が噂の情報屋ですか」
あれ、誰かに似てる気がする。姉弟?
……あれ、デジャヴュ?
「しかも、あの彼女を落としたそうじゃないですか。とても興味深い」
どうやらあの人のお知り合いらしい。やっぱり美人の周りには美人が集まる作りになっているようだった。
「えーっと、こんにちは」
まずは挨拶が基本かなーどうやってお近づきになろうかなーと考えてたら噴き出された。
「彼女が気に入る理由が分かった気がします」
どうやら自分に普通に挨拶されるのは初めてで変に受けたらしく、気に入られて度々、僕の部屋に侵入しては話して帰るようになった。
……自分、グッジョブ。
某年某月某日──吉宗心の日記
どうやら二人同時に遠出で長期の仕事が入ったらしくて寂しくて泣きそうになった。
暫く会えないなんて、漸く楽園が出来たかと思ったのに!
「…僕、死んじゃう。殺されちゃう」
二人に会えないなんて死んじゃう、ボンゴレには半ば見捨てられてるし、恥ずかしながら女性である二人に守られて来たから殺されちゃうよ。
本気で死亡フラグ立った。
「………殺される?」
あれ、何か二人で真剣に話し合ってる。
「可能性はなくもないでしょうね。彼らは余り吉宗を省みませんし」
「ふぅん、気に入らないね」
「…言っておきますが、君の弟も入ってますからね?」
「君もね」
「アレはそういう人間ですから」
「アレもね」
「…愚弟に期待するのはダメですね。どうします?どちらかの仕事を一人が負担するとか」
「………君のを、私が?」
「貴女のを、私がねぇ……」
「無理」
「ですね……どうしましょうか」
珍しく二人の悩むアンニュイな姿にホエホエしつつ、原因が自分なのを思い出して首を捻る。
二人が此処に残るが無理なら一つだ。
「二人に付いて行ったらダメ?」
「…良いんですか?」
「二度と戻れなくなるかも知れないよ」
「だって二人以外、今あるものはゴミに等しいから」
二人がいてくれるだけで良いんだよ。
むさ苦しいのは御免なんだもん!どうせなら女の子の方に行くに決まってんじゃん。
某年某月某日──吉宗心の日記
屍の諜報能力。
あの人の戦闘能力。
僕の情報収集能力を合わせて行動した。
最強じゃねえか、と誰かの声が聞こえた気がした。
某年某月某日──吉宗心の日記
いつもは、どちらかと一緒だけど、たまたま一人で夕食の買い物をしていると誘拐された。
どうやらボンゴレのようだ。
あー…迷惑かけちゃうなぁ…
某年某月某日──吉宗心の日記
長ソファの真ん中に座って、その高級によるフカフカで遊ぶ。
うん、気持ちいい。
「ずっと探してたんだ、心配したんだよ」
軽い現実逃避をしていて言われた、そんな言葉に少しだけ心が冷めた。
あの人達の裏のない言葉とは大違い!あーあ、可愛い女の子じゃないし、冷めるなぁ…あ、霧の女の子は可愛いな、と手を振ると戸惑いながらも笑ってくれた。かわいっ!
「聞いてるの、吉宗ッ!」
叫ばれた。
「おやおや、怖いですねぇ」
本当だよね。
「何時からいたの?屍」
隣に優雅に足を組み替える屍に首を傾げると、クフフ、とあの独特な笑いが返ってきた。
「探したんだよ、からですね」
最初からだよね、それ。
「怪我はないようですね」
「うん、大丈夫だよ」
両手で優しく頬を包まれて覗き込む妖艶な屍の顔が近くて昇天しそうだけどね。
「屍!?」
「お久しぶりです、変わらず健全にマフィアを恨み陥れ蔑み貶め堕とし続けてますか?愛しの骸」
「屍…今まで何処に、」
「しかし、頂けないですねぇ…」
霧の守護者の言葉を遮り冷たく鋭く強烈に鮮烈な言葉と瞳を向ける。
「私達から、この子を奪おうなどと!」
何かが彼らを襲う。
僕には感じない何かに、彼らは身構えたり肩を揺らしたり、好戦的な笑みを浮かべたり、動揺したりと様々だ。
これが、殺気?
「ぁ、屍…ねえさん……」
「私が怒っているのは貴方も例外じゃありませんよ、骸」
「っ…」
「待って、屍さん、じゃあ、吉宗を誘拐したのは…」
「誘拐?違いますよ、彼は己の意志で私達と共にある。
いえ、何もかも捨て、価値もない私達なんかを選んだ」
「ダメだよ、屍」
少し、聞き捨てならない言葉を聞いた。
「なんか、じゃない。君達はとても素敵な人達なんだから。自分を大切にして」
じゃないと悲しいよ。
顔に傷が付いた日にはきっと泣いちゃうし、笑顔でいて欲しいって思う。
可愛い笑顔は宝だもん。
「…私達を普通に扱うのは、君くらいですよ」
弟でさえも私達を神聖化しているのに、と呟いた。
「屍?」
「…いえ、早くしないと退路を確保している彼女がボンゴレを殲滅させちゃうんじゃないかと思いまして」
「それもう退路の確保じゃないよね?」
「だって彼女ですよ?」
最も、遅かったみたいですが。
と続けられた言葉を遮るように轟音と扉が襲って来た。
いや、扉は晴の守護者に当たったんだけど。
侵入者に誰もが目を見張った。
「っ…姉さん?」
「遅いよ、君達」
喜びと疑念で複雑な顔をした雲の守護者を、少しだけ視線をやったけど僕達に声を掛ける姿に顔が緩む。
「全く、少しは待ったらどうですか…全滅にはさせてないでしょうね?」
「さぁ?」
「こらこらこらこら」
嗜める屍の言葉も馬耳東風、右から左に流して僕へと揺るぎもなく真っ直ぐに歩む。
「手間をかけさせてごめんね、ゆ、」
「ダメだよ、吉宗」
す、っと僕の唇に彼女の人差し指が触れてそれ以上の発言を許さないように止める。
その指が、滑るように横へとなぞり顔の輪郭を確かめるように包み込んだかと思うと、顔を屍以上に近づけた。
…あの細く、白い指を咥えたい欲望に駆られたけど、耐えた自分、グッジョブ。
だって真っ赤になって手を抑えながら、瞳を伏せる彼女なんて他の野郎には見せらんないからね!え、勿論、既に実現済みですが、何か。
「私の名を知るのは私自身と特別に君だけなんだから」
「そうだね、特別」
「うん、素直な子は好きだよ」
…………うん、嬉しいよ。
好きだなんて言われて嬉しくないわけないよね!むしろ僕が好きだよ、こんの美人さんが!
「おやおや、いつか私にも教えていただきたいものです」
「いつかね」
「…クフフ」
いつか、と否定しない言葉に屍は嬉しそうに笑う。
二人が会話をしているだけでも和むのは僕だけなのかな、すごく和みます。
「吉宗…?どうして彼女達と君が……」
「ふふ」
「何を、考えてるの?」
「あのね、ボンゴレ十代目」
「…………」
「僕は、ずっとずっと思っていたことがあるんだ…」
「考えていた、こと?」
「諦めてたけど、今なら声を大にして言える」
「…それは、何だい?」
後ろから屍が。
ソファに膝を付いて前から攻めるように彼女が緩く抱きしめてくれる中、にっこりと笑う。
「綺麗なお姉さんが大好きなんです」
守護者が男だらけとかないわー、ボンゴレぶっこわしたい
見事に空気をぶち壊した。
(何言ってんのー!?)
(まぁ、クロームさんも二人とは違う可愛いタイプだから良いかなーとも思うけど)(クローム、骸じゃなく私の所に来なさい?)(はいっ)(クロームぅぅ!?)
(………ねぇ、吉宗。怒るよ?)(ふふっ、勿論、貴女が本命だよ、ゆーお姉さん)
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ソファに膝を立てて前から攻める風紀姉を書きたかっただけだったりする\(^0^)/