晴れ渡る空シリーズをいい加減、更新させようと考えていて思い付いたネタ。
逆ハー補正をした女主人公により副委員長を追い出されるヒロが、他の騒動に巻き込まれるお話。
※逆ハー補正…簡単に言うとキャラに好かれるようにトリップしてもらった神様などに設定してもらうこと、など、らしい、私も多数の他サイト様を見て知ったためあまり詳しくありません←
とか、面白いなーと思ったんだけども誰得だこれw
今、拍手連載中とは別に強制力の高い逆ハー補正で雲雀も例外なく範囲に入っちゃったり。
ヒロもヒロで割り切りが素晴らしく清々しいので雲雀に救いがない話ww
晴れ空シリーズを覆す設定のため、ここにネタを書いてみた。
混合は現在、ジャンプ連載中のサイレン。
子供達に好かれるお兄さんでありお姉さんでいいんじゃないかなw
以上、注意してお読みください。
「これ、任せたから」
「……はぁ」
また?
と呆れを含まれた副音声にも気付かずに去る風紀委員長の後ろ姿を見送りもせずに、任された書類を見下ろす。
「めんどくさい」
「零刃?」
「なぁ、草壁。沢田達と一緒にいる女子生徒を知ってるか?」
「勿論だ。最近の委員長の目的の人物だからな」
「……ふーん、最近っていつ」
「は?いつってそれは……いつ、だ?」
最近、学校に違和感に気付いたのは己だけなのだろう。
自分だって偶然に偶然が重なって気付いたに過ぎない。
あの沢田達と一緒にいて、あの風紀委員長が風紀を乱した、興味深い強さを持つ以外での目的で会いに行く女子生徒。
彼女の在席書類は確かにあるのだ。
だが、あるキッカケで一年前の学校行事などで撮られた写真に彼女が写る写真など一枚としてなかいことに気付いた。可笑しいな、と調べていく内に再び矛盾が生まれる。過去行ったテスト結果の順位に彼女の名前はどこにもなかった。転入生でもないのに、彼女はパッと現れ自分達に違和感を与えることなく内側に入り込んだのだ。
ゾッとしたのは記憶に新しい。
「何かが可笑しいんだ。なぁ、草壁。キョーヤはあんなに自分から群れに関わって行ったか?たった一人のために群れを我慢するような人間だったか?争いは止めてって言われただけで条件もなく自分を曲げる人間だったか?俺がついて行こうと、惹かれていた雲雀恭弥はそんなんじゃない!
なのに、記憶にあるのはそんな雲雀恭弥!!
何なんだ、この矛盾は!!」
ダンッ、と苛つきを隠しもせずに机に拳を叩き付けてヒロは目を伏せる。
矛盾を感じようとも記憶に矛盾がなく、その矛盾が更に苛立ちを生んで精神がどうにかなってしまいそうだ。
自分だけなのか、と恭弥ではなく草壁に言葉をぶつけると返されたのは肯定の言葉。
「言われてみれば、矛盾があり過ぎる」
自分だけではないのか、と分かると胸が軽くなり力なく背もたれにもたれ掛かる。
気が狂ったのかと思い悩んでいたのが嘘だったかのように落ち着いて、元来の己を取り戻す。
「…彼女には、何かあるのかも知れない」
「……調べるか?」
「……そうだな、だが、表向き彼女に非は一つもない。探っているのがバレたら糾弾されるのはコチラだ。厳重に注意しながら調査しないといけない」
「委員長にはどう説明する?」
「信じられるか。
いいか、雲雀恭弥も…
敵だと思え」
息を飲んで頷く草壁に、ヒロは目を伏せる。自分だってこんな事は言いたくはなかったが、それが事実なのだから仕方がない。
今の雲雀恭弥は、ただの腑抜けた男子生徒だ。
「草壁はそっちに全ての時間をかけて調べてもらいたい。俺は、風紀の仕事の合間を見て調べる」
「分かった。だが、今日の書類には委員長に確認しなければならない書類があったはずだ……確認しなければ、気分屋の委員長は…」
「アイツの答えは一つだろ。あっちに現を抜かして、こっちは手抜きでたった一言、"任せたよ"。
ふん、気分で返答が変わると思ってたんだけど、今は返答が一つだと記憶している。
とんだ矛盾だ」
皮肉を込めて鼻で笑いながら、草壁の言う封筒に入った書類を取り出して瞳を細める。書類と同封されていた、紙とは違う硬質なカード。
「赤いテレホンカード……サイレン?」
疾走者が続いていると言われる曰く付きのテレホンカード。秘密結社サイレンと繋がっていると都市伝説として伝わっているが、その事実を突き詰めた者には賞金五億円を懸ける大富豪が表れたため裏社会でも騒がれ始めている。
「……試してみるか」
『赤いテレホンカード?あぁ、その話ならこっちにも来てるぜ』
裏社会にも騒がれているのなら、と連絡を取ったのは己の兄の所であった。
何でも彼の所でも一枚入手したのだが、そのテレホンカードを部下が使用するとまず妙な質問の嵐をされるらしい。まるでこちらの事が見えているかのような質問。訝しげに思いながらも質問を終わらせたその部下は、ある日、ベルの音が聞こえると騒ぎ立て始めたらしい。
部下にだけ聞こえるベルの音。
その部下は、ベルも鳴らない電話に出た瞬間、目の前から姿を消した。
それから、その部下が帰ることはなかったのだ。
『サイレンには絶対に手を出すな。危険過ぎる。サイレンについてはキャバッローネが全力で調べている。だから馬鹿な真似はするんじゃないぞ』
「………馬鹿な真似、か」
既に公衆電話を通してしまった赤いテレホンカードを指で遊ばせながら、ヒロは口角を吊り上げた。
面白いことになりそうだ。
「……電話の音がする」
ジリリリリ、と大きくなっていく音。
次第にけたたましさを増す音に、草壁に確認しようも己には聞こえない、の一言。
さてさて、一体、自分に待ち受けるのは何なのか。
「楽しませてよ?サイレン」
公衆電話の受話器を耳に近付けた瞬間、世界は変わった。
「もういいよ」
「は?」
「副委員長に君は必要ない」
切り捨てられたヒロは唖然としつつも、すぐさま口角を吊り上げた。
随分と『進行』が進んだようだ。
あの世界に行ってから手に入れた能力で、この異常の正体を知った。
恐らく、サイレンに行って手に入れたのだろう少女の能力により学校全体の認識がずらされているのだ。最初は違和感なく僅かずつ。だが、次第に大きく。
その力によりサイレンからの意識からもずらし呼び出しを無効にしているらしい。
自分に、その能力を消すほどの力はまだない。
「零刃、委員長への説得は俺が…」
「いや、都合が良い。この先、長い間行方不明になりかねないからな」
「誰が」
「俺が」
任せたよ、と草壁に頼んだ姿が並盛で見る最後の姿となった。
「あ、ヨシナ?今からそっちに行く」
「そういやお前、ずっとばあちゃん家にいるみたいだけど学校は大丈夫なのかよ」
「まぁ、義務教育だし退学になる心配はないしな」
「……は!?」
「何だよ」
「年下!!」
「………何だよ」
「見えねぇ!!」
「悪かったな」
つーかお前は良く高校に入れたな。
うるせぇ。
けたけたとつかの間の平穏の中で笑い合う。
こんな風に馬鹿するのも悪くないなぁ、と小さな子供達が呼ぶ声の方へと歩きだした。
(今日はフレンデリカちゃんが教えてくれるのか?)(ちゃん付けで呼ぶな!馴れ馴れしいわね!)(えー、可愛いのに)(なぁっ!)
(……天然タラシかアイツ)
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サイレンだと子供達が大好きです。
しかしいつものごとく好き勝手に書いたけど、いつも以上に誰得だ、これw