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あはー

蜜柑さんのコメントに、ついウッカリたぎってしまった。
因みに伊達軍(小十郎only)VS猫軍(多数)の前に、來海VS猫軍があったのですが、來海は勝てませんでした。
完敗でした。





>別館繋げました
ホムペの下にリンクが張ってあるのでどうぞお越し下さい。

隠しステージ




「うぁあああ…」


ふあふあとした毛皮に全身を擽られ、意図せず霰もない声が出てしまう。
可愛らしい姿形と愛らしい鳴き声、ざらざらと無数の舌が肌を嬲る感触は筆舌にし難い。
時折、頬と言わず腕やら足やら、ぷにぷにと桃色の肉球が当たって、來海はとても…とても幸せだった。


にゃーにゃー
にゅーにゅー
みゃーみゃー
にゃんにゃん
みゅーみゅー
にゃうー


煮干しの臭いにつられたのだろう、口元の残滓やら器の中の煮干しを狙い群がる猫に來海が押し倒されてから既に半刻が過ぎていた。
肌寒い季節に熱のある毛皮は正に天国だった。
どさくさに紛れて腕の中の猫をそっと抱くと、キョトンとした瞳が來海を見上げる。
媚びを売るように甘い仕草ですり寄られ、來海はたぎる想いを胸に目元を抑えた。
そうこうする間にも猫は群がり、寝転がっていた來海はあっという間に占領され、膝も足も腹も胸も腕も顔の横も猫まみれになった。
端から見ると、何の塊だか判らないぐらい毛皮毛皮している。


「てめえ…褥でもンな面、したことねえだろ」
「緩んでる自覚はある」


長い指であやされゴロゴロと喉を鳴らす猫に、小十郎は眉根を寄せる。
冷やして固める前のべっこう飴の様な、どろどろとした甘さを垂れ流す來海の態度が、少しだけ気に食わない。

少しだけ大人気の無い事をしてやるかと小十郎が懐から取り出したのは、橙も鮮やかな瑞々しい伊予の蜜柑だった。
剥いた皮の外側を猫球に向け、ぐっ…と摘む。
黄色い霧がぷしっと広がり、來海に群がっていた猫達が一斉に飛び上がった。


「そら、散れ」
「あ…、」


蜘蛛の子を散らすように逃げて行く猫に未練がましい声を上げた來海の隣に腰を下ろすと、小十郎は持っていた器を來海へと押し付けた。


「やるよ」
「見て良い…か?」
「当たり前だ」


被さっていた布を取り払う。
木彫りの器に入っていたのは緑が爽やかなずんだ餅と、幾分か黒いカステラだった。


「その…さっきは悪かったな。俺としたことが…」
「いや、別に気にしてないから」
「だが…」
「小十郎から貰えるってことが大事なんだよ」
「そうか…ならコレは要らねえな」
「なんでそうなるかな」


チョコレート味のカステラへぱくりと齧り付いた來海が、この時ばかりはザビー教も悪いものじゃないなと思ったかどうかはまた別の話。




伊達軍(右目only)対、猫軍(多数)
小十郎の勝ち。
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