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陳宮…可愛いじゃん

猛将伝で陳宮にハートキャッチされた。
なにあの人うさんくさ可愛い。
ウサギみたいにピョコピョコしてたり聞いてくれない呂布にぽこぽこ怒ったり、最期に曹操に啖呵切るとことかトゥンク…
泣かせたいなー陳公台!

相変わらず徐庶にお熱過ぎて困る。

おやいぬこいぬ 徐庶ss






一人の男が、些か呆けた面持ちで紅い大地へ佇んでいた。乾いた風が男の頬を殴り、旋風に巻き上げられた砂埃が口を犯しても、男の脚は動かない。ささくれ立つ粗末な木板に並べられた無数の頭が徐々に、けれども確実に元のかたちを亡くし崩れ行く様を一人延々と眺め、男はただそこに在り続けた。日が暮れて、朝が来て、腐肉を喰らう鳥が集まり、やがてましろな頭蓋が転々と土の上へと転がり落ちる頃、男は静かに目蓋を閉じた。

残ったのは怨嗟の業火に焼き尽くされ、大望も、野心も、生気すら胸の内から消え失せた、憐れな一匹の獣である。





【親狗仔狗吾亦紅】





陰鬱の塊と化していた名前も知らない男を拾ったのは、勝ち戦に気を良くした雇い主から重たい皮の袋を手渡された帰りのことである。両の手を握られ、またよろしく頼むと下卑た面で胡麻を擂る相手へ背を向け、腹拵えでもするかと店の灯りを探してみれば、件の男が酷く落ち込んだ様子で街の隅っこにいじけていたのだ。
潤った懐に機嫌良くぶらついていた白狼は、少しばかり気を害した。いい気分を邪魔された腹いせだと、殆ど八つ当たりに近い心で男の腕を引き、飯店の看板娘へ声をかける。二人分、と言う白狼に、男は終始両手を振りながら遠慮をしていたが、次々並べられて行く料理の数々にやがておずおずと箸を取った。

貧乏性なのだろうか、ちまちま餃子をかじる男の盃に酒を注ぐ。暫く経てば腹も膨れて、酒の所為あってか舌も滑らかになった。男は元直と名乗った。緑がよく似合い、舌足らずな話し方をする。水膜をたたえた瞳の奥に人恋しさを隠した、乳離れしたばかりの仔犬のような男。白狼から見た元直とは、そんなおかしな男であった。
思えば昔から、白狼は小さくか弱い生き物に滅法弱かった。蜜のような粘ついた声で甘ったるく名を呼ばれ、ぐずぐずに溶けた丸い瞳を向けられ、つつけば崩れそうな柔らかな笑みで強請られれば、なんだって与えてやりたくなった。
だからだろうか、今にも泣き出しそうな笑い顔で、居場所がないと震えながら酒を舐める男に『在るべき場所』とやらをやりたくなったのは。丈のある身を丸く縮め酒気に喘ぐ男の垂れた目尻は仄かに紅く、今にも零れ落ちそうな涙の雫が燈火を反射する。綺羅綺羅と輝く水珠に写る己の姿に、白狼は嗚呼と感嘆の息を吐いた。

下戸なのか廻りが早いのか。いよいよ潰れかけ、こくりこくりと舟を漕ぐ男を背に負い、白狼は自らの宿へと歩みを進める。安宿の固い寝台へぞんざいに転がせば、耐えきれず男の眦からころりと泪が一筋。少しばかり痩けた頬を滑り落ち、白狼はぎくりと身を強張らせた。起きたのかと覗き込んだ元直の顔は、なんともまあ悲しげに歪んでいる。軍袍の首元を寛げてやると呼吸が楽になったのか、眉間の皺が薄れ僅かばかり表情がやわいだ。
しかし由々しき事態だ。白狼は頭を抱える。見ず知らずに程近い大男に寝台を占領されているため、自らの寝床が無い。くたりと横たわる元直を壁際へ押しやれば空いた隙間へ潜り込むことも出来そうだが、心安くない相手へ無防備に背や腹を晒し眠れるほどお気楽な性分でもない。戦場を駆けずり回り稼いだ銭で他人を休ませてやるのは大層癪であったが、拾った己の責ならば仕方がないと寝台から離れかけた白狼の腕へ、蛇のような手が絡み付く。行かないで。存外に確りとした甘さを帯びる男の声に、白狼は眉を寄せた。


「…抱いてくれないか」


奥がうずいて堪らないんだ。衣をくつろげ、日の光を知らぬような白い胸を剥き出した男はあられもなく股を広げる。媚びた目線を寄越し、脚の付け根を撫で責めつつ放たれた如何にもな誘い文句に、白狼は金色の瞳を細めた。男のしなやかな腕が首へと回り、唇が重なる。尖らせた舌先が口唇を抉じ開け、ねっとりと歯列を割った。ちゅくちゅくと濡れた水音に耳を犯され、白狼は内心で嘆息する。男の後ろ頭に回した手で元直の跳ねた髪を撫でれば、窺うように開かれた片方の目蓋が細まり、しがみつく腕の力が強まる。ん、ん、と洩れる甘い吐息ごと唇を貪り、唾液を啜り、舌を絡ませ熱い肉の滑らかさと弾力性を味わう。表面のざらつきを小擦り合わせ裏面を撫でれば、飲みきれない唾液が口内から溢れ落ちた。どちらともなく遠ざかり、元直は淫らに口許を緩ませ白狼の襟を割り暴く。君はこう言うのが好きなんだろう、問い掛けとも確認とも取れぬその言葉に、白狼はくつりと喉を鳴らす。ああ、なんと滑稽な。



「悪いな、身売りなら他を当たれ」


何処の誰から何を聞いたのかは知らないが、と尚も肩を震わせる白狼へ、男の瞳が大きく見開く。粗方どこからか女を求めない稼ぎの良い傭兵の噂を聞き付け、ならばとこうしてやって来たのだろうが、生憎どちらにも進んでの興味がないだけである。溜まれば突っ込むが、今、穴は必要ない。
乱れた格好の間抜けな男をあっさりと引き剥がし、白狼は寝台へ幾枚かの金を放った。一晩の花代にしては少ないだろうが、口吸いだけの値段とすれば破格だろう。ばつの悪そうに衣を直した男は投げられた金に違う、と呟き唾液で濡れた口を拭う。垂れた眸の奥で憎しみや無念、悲哀を静かに燃え盛らせ、違う、違うとまるで火炎のような言葉を吐き続ける元直に、こんな貌ができるのかと白狼は瞠目した。そうして間も無く、先程の仄暗い艶は何処へと問いたくなるほど目に見えて落ち込み項垂れた男の自虐を聞き流しながら、白い狼は適当に相槌を打つ。
詰めが甘いと嘆く男だが、そもそもなぜ男自身を餌に使おうと思ったのか。確かにある種の色気は有るのだろうが、薹が立ち過ぎている。ついでに口吸いはあまり上手い方じゃない上に、股の開き具合一つ取っても美味そうには見えない。歯に衣着せぬ言い方でそのままを伝えれば、男は小さな声で『へたくそ、としま、まずそう』、と呟き、両手で顔を覆ってしまった。可哀想に、肩が震えている。
どうやら傷付けてしまったらしいが、色仕掛けをするにしたって無精髭の散らばる筋張った冴えない男よりは瑞々しい肢体の、もっと若い綺麗なのを寄越すだろう。そんなに自分の躯に自信があったのかと悪気なく聞く白狼へ、男は一層傷付いたように『もうやめて』と消え入りそうな声で呟き、くしゃりと顔を歪めた。俺は閨事も得意じゃないし、在野の将だから、他に頼める人も金もなかったんだ。良くわからない効果音を出しながらじょしょーんと落ち込んだ男に、断袖ではないので良く知らないが食べるのならば脛毛よりすべらかな肌が良いんじゃないのかと止めを刺し、白狼は面倒な男に引っ掛かってしまったと欠伸を噛み殺す。気怠げに、己が本当に男好きだったらお前はみすみす食われるつもりだったのか、と問えば、こんな俺なんかの身体で君が手に入るなら、安いものじゃないかと、枯れ果てた声が地を這った。
元直の眼が暗く翳る。皮肉に彩られ、卑屈に縁取られたいびつな笑みが存外整った容貌からこぼれ落ちた。君が欲しいんだ、込み上げる激情を抑える元直の声が頭の最奥を穿つように白狼の耳へ捩じ込まれる。一騎当千の君が欲しい、力のある君が欲しい、知は磨いた、だが武が足りない、だから君が欲しい。君を手中に収めるためなら、俺は、何だってする、何だって、してみせる。
垂れ流されるは睦言か呪詛か。背骨を駆け登る恐ろしさに身震いし、白狼は元直を見詰めた。にぃ、と。毒の滴る笑みに囚われ否が応にも雄の性を煽られる。下手糞な娼婦の真似事よりも、余程。

仔犬などと、とんでもない、この男は化け物だ。


「なんでもか」


腹の底から沸き上がる笑みを抑えきれず、白狼は男の首へ爪を立てた。柔らかな肉へ埋もれて行く固い感触に浮かんだ怯えを刹那の間に欲へと塗り替えた元直は、君が望むことなら全て、と幼子のような微笑みを見せる。
いいだろう、お前の気が済むまで付き合ってやろう。お前の望み、お前の願い、全て俺が叶えてやろう。放たれた言葉に、男が頬を上気させる。薄紅に染まった肌は、固く乾いていた。だと言うのに、そこへいつかの小綺麗な子供の影を見たような気がして、白狼は眉を寄せる。
嗚呼やはり己はおねだりに弱い。ぷくりと滲む赤い血を舐め、白い狼は眉間の溝を深めた。

おやいぬこいぬ 徐庶ss






目の醒めるような戦働きをする在野の将が居るとの噂を耳にしたのは、小さな軍団を任されていた徐庶が失脚の憂き目を見る少し前のことであった。


乱世を終わらせると志を立てたは良いが、仕えた州が悪かった。腐敗した官僚は、徐庶の献策を悉く跳ね除け、最後には疎ましげに野へと放り出したのだ。汚い野良犬めと襟首をつまみ上げ棄てられた徐庶は、屈辱に唇を噛み締め街から逃げるより他なかった。なけなしの矜持が血涙を流した所で、私財すら奪われ文無しの在野となった己に出来ることなど何一つないのだ。
この先、どうすれば良いのだろうか。訪ねるべき人もなく、寄り添える仲間もなく、大それた望みばかりが大きくなっていく。ぐう、と鳴った腹に徐庶の眉尻が下がる。先ずは目先の飢えから満たさねばその先など訪れまいと財布を揺らすが、粗末な袋をひっくり返したところで塵一つ落ちてくることはない。とことん惨めであった。腹が減れば思考は益々悪いほうへ悪いほうへと転がってしまう。肉体よりも心の疲労が酷い。項垂れていた徐庶の目に、大柄な影が被る。
大丈夫か、あんた。
顔を上げることすら億劫であったが、気力を振り絞りどうにか淀んだ目を向けてみれば、そこに佇んでいたのは髪の先から指の先まで異様に白い男であった。徐庶の脳裏に、いつか耳にした噂話が甦る。目の覚めるような戦働きをする在野の将。夫婦剣を牙に黒山の軍団を蹴散らし、名だたる将を赤子のようにあしらう、主の無い狼。金色の瞳に見詰められ気が狂った者が居るとまで恐れられる輩が、徐庶を訝しげに眺めている。
空気を読まない腹の虫がくきゅうと媚びるような音を上げ、徐庶は恥ずかしさで焼け死ぬかと思うほどに顔を赤くした。情けない姿を晒す徐庶に、噂の将はからからと声を上げ、奢ってやるよと朗らかに笑った。弓なりになった金色が柔らかな光を湛えている。思わず見惚れてしまった。立ち尽くす徐庶の背を軽く叩き、狼と渾名される在野の将は己の名を口にした。


「珍しい名だな」
「異人なんてそんなもんだろう」


無感動にへえだのほおだのと適当な相槌を打つ白狼に小首を傾げ、湯気の立つ餃子へ恐る恐るかじりつく。舌を苛む熱さと滲み出る旨味にふるりと肩を揺らし、徐庶は静かに息を吐いた。空きっ腹に染みる温かな食事は、涙が出るほどに有り難いものだ。酒も肴も遠慮をするなと笑う白狼の杯へ、すまない馳走になると酒を注いだ。

腹も膨れて酒も進めば、互いの口も軽くなるものだ。あれやこれやと他愛の無い会話を交わしながら、徐庶は酒気に薄紅く色付いた白狼の頬を盗み見て噂の続きを思い出していた。白い狼は柔く壊れやすい女よりも、固く頑丈な男を好んで喰らうと言う、なんとも臀の寒くなる恐ろしい話である。膨れても尚引き締まった己が腹へ我知らず手をやり、胸中で固く頑丈な、と呟いた。何ともないような風であるが、もしや、貞操を狙われているのだろうか。食事の恩に託つけ同衾を求められてしまったら、どうすれば良いのだ。許してくれと言っても、もう食べてしまった後なのだから見逃しては貰えまい。小さくはない徐庶よりもさらに頭一つ抜き出た豪傑に力尽くで押さえられ、抵抗虚しくされるがまま女のように犯される。武骨な手が脚を割り、赤い唇の中に蠢く紅い舌が肌を。そんな卑猥な考えが頭を過ぎ、背筋を這い上った悪寒に白狼を見るも、件の狼は休み無く上機嫌に杯を空けるばかりである。
考えすぎだろうか、だとすれば、善意で奢ってくれた相手に対して己はなんて恩知らずなことを。
申し訳なさに身を縮ませ酒を舐める徐庶は、声に出さずまてよと一人ごちる。これは、一騎当千の白狼を味方に付ける、願ってもない好機なのではないだろうか。ふと浮かんでしまったその考えに、心の臓が厭な音を立てて騒ぎ出す。登用するのでもされるのでも良い、たった一人で戦局を引っくり返せる、武の才を持った無双の将を引き込むことができたなら、叶うわけがないと嘆いた願いにすら手が届くかもしれない。
からからに乾いた口を酒で湿らし、己が固く頑丈な雄であることを感謝した徐庶はきつく目蓋を閉じる。なに、少し我慢をすれば良いだけだ。同じ性に支配される屈辱も、味わうであろう痛みも、手に入るものの大きさに比べれば、なんと言うことはない。
そうと決めれば不思議と心が落ち着いたが、では誘いましょうとなるかどうかはまた別だった。何が一番恐ろしいか、貪り捨てられる喰われ損だけは避けねばなるまい。惹き付けて惹き付けて、己の味を求めて止まぬように白狼を虜にするのだ。とはいえ、女人とはまだしも、男相手の経験など皆無の己が、百戦錬磨の断袖相手にどこまで通用するのだろう。さっぱり見当がつかない、と徐庶は頭を抱えた。


「飲みすぎたのか」


確りしろと肩を揺らす手に、唇を歪める。お開きにするかと欠伸をする白狼に、やるしかないと小さく拳を握った。この千載一遇の機を逃せば、乱世に埋もれ、小役人程度にすらなれず朽ち果ててしまうだろう。やるしかない、こうするより他に道はないのだ。ずるりと鼻を啜り、涙を浮かべた瞳で白い狼へおもねる。居場所がないのだ、とこぼした声は、みっともないほどに震えていた。



【おやいぬこいぬわれもこう】

エディ♂受えろss

徐庶ssエロ

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