メール保存フォルダがいっぱいなのでこちらで作成。
とりあえず眠くなったので途中まで。財前くんが出てくるまでオサムちゃんとばっかり喋ってる(笑)
っていうか関西弁分からん&キャラがいまいち掴めてないorz
追記(2014/04/08)
財前へのお題は『細すぎる手首・柔らかい頬・眩しすぎる笑顔』です。
shindanmaker.com
今日は年に一回の体育祭。さっきまでグラウンドで騎馬戦を観ていたけれど、いい加減日射しがキツくて離脱してきた。日焼け止めはもちろん塗ってるけど、ただ立ってるだけでも汗が流れる気温。いくら耐水性があっても絶対流れ落ちてる。
だからこうして、校舎の影でこっそり涼んでいたんだけど。
「あ、おったな。お〜い、##NAME1##」
気の抜けた声で名前を呼ぶその人は間違いなく教師という職種なわけで。さすがに3年もいれば慣れるんだけど、無精髭とかその他諸々なんとかならんのかい、と思ったりもする。
「何よオサムちゃん」
「いやいや、モノは相談なんやけどな。ちょっと」
「え、いやや。断る」
「即答かい!まぁそう言わんと」
ぐいぐいと半強制的にグラウンドの方へ押し出される。なんだコレ。
「何がしたいか知らんけど高いでオサムちゃん」
「ん?こけしやろか?」
「いらん」
結局観客席の最前列までやってきてやっと止まった。とりあえずここが終着らしい。
「これ今なに?リレー?」
「そうそう、部活対抗リレーやな」
へぇ、なんて適当に相槌をうって流す。正直帰宅部のあたしには関係ないし、友達は文科系の部活に入っている子が多いから選手に知り合いはいない、と思う。
「オサムちゃん、自分の部活応援せんでええの?」
「おお、それや!あの赤いちびっこがエースなんやけどな」
「ああ…めっちゃ速いやん」
「まぁ周回遅れやけど」
「え、そうなん?」
「そーそー。せやから、##NAME1##に応援してもらお思てな」
それはあたしが応援したって変わるもんじゃない気がする。反抗の意味を込めてオサムちゃんを睨んでみたけど効果なし。っていうかその帽子日除けにちょっと貸してほしい。
まぁ、そんな思惑も通用するハズもなく。仕方なくグラウンドに目を戻すと赤いエースからバトンを受け取った男の子がちょうど走り出したところだった。
「あ、」
思わず声をあげたのは、その男の子に見覚えがあったからだ。どこだっけ、と記憶の糸を手繰り寄せる。
『隣、座ってえぇです?』
初めての委員会でそう訊ねてきた男の子。その後も何度か話はしたがダルそうな雰囲気の子だな、ぐらいの印象しかなかった。まさか運動部だったとは。
「財前、頑張っとるなぁ」
財前くんか。そういえばそんな名前だったような気がする。財前くんは前を走るランナーとの距離をどんどん縮めていく。
「おぉー、速いね」
「せやろ?終わったらちゃんと声掛けたれよ」
「えっ、なんで?」
「オサムちゃんの都合」
自分でオサムちゃん言うなよ、なんて心の中でツッコミつつ。実際のところは呆れて声が出なかったっていう、ね。
オサムちゃんの都合がどういうものなのかは知らないが、そろそろ校舎内に避難しとこうと思っていたらちょうど件の彼を見つけた。
喋ったことがない、というわけではなかったけれど特別仲がいいわけでもない。しかもタイミングが悪いことに顔を洗ってらっしゃる、って、あ、こっち向いた。
「あー…お疲れ。リレー、めっちゃ速かったね」
こりゃ声掛けないと不自然かなぁと思って話しかけると、やっぱり予想外だったのか財前くんは目を見開いて驚いている。え、そんなに意外?
「っ、先輩、見とったんです?」
「ん、まぁ、ちょっとだけ」
「へぇ…なんか意外っすわ。運動とか興味なさそうやし」
「いや、まぁ大体当たっとるよ。てかあたしからしたら財前くんのが意外やわ。テニス部なんやねぇ…って、どしたん?」
「え、いや…先輩がオレの名前覚えとったんが意外…」
ほんのり笑顔で嬉しそうに言われたらまぁ、さっきオサムちゃんに聞いたしな、とは言える筈もない。
「あ、てかゴメン、洗いよった途中に邪魔して」
「え、いや、別にえぇですけど…」
水も滴るいい男よろしく、ポタポタと髪からも雫が流れる。うーん、今日だけで財前くんの意外な一面をたくさん見た気がする。
「タオル、持っとるん?」
「え?あー…席置いたままですわ」
「あー、やっぱり?良かったらこれ使う?」
「はい?」
「日除けで被っとったぐらいやからそんなに汗臭くはないと思うんやけど…はい」
とりあえずだだもれの色気をどうにかしてもらわないと、なんて思いながら首から下げていたタオルを差し出す。財前くんは少しの間硬直していたけれど、どうにかタオルを受け取ってくれた。
「先輩、」
「ん?」
「これ、ありがたく使わせてもらいますわ」
言いながら早速顔を拭いている。暖色系パステルカラーのタオルを持つ彼は、それでもやっぱり男前だった。
END