……………そしてそれから1週間後。
美月はお台場へとやってきた。
「ハンカチ持った?忘れ物はないわね?」
「忘れものはないよ。」
「仕事があるから、一緒には行けないけど、ヘマしないようにね。」
「大丈夫、1人じゃないから。………じゃあ、行ってきます!」
ランドセルを背負い、小学校に向かう美月を見て母親は涙ぐんだ。
「………というわけで、お台場にやってきました物吉美月です。
よろしくお願いします。」
担任の案内で6年生の教室に入った美月は軽く自己紹介をした。
「席は井ノ上の隣が空いているな、そこに座りなさい。」
「はい。」
「初めまして、私、井ノ上京。京って呼んでね、よろしく!」
「…………よろしく。」
その時、美月はデジヴァイスが熱を持ったことに気づいた。
「………ねえ、唐突に聞くけど。貴女、もしかしてデジモンがいるの?」
「………へ?何でそれを?」
京の言葉に美月はやっぱり、と呟いた。
「………へぇ、なるほどね。貴女もデジモンがいるんだ!」
「そう。ルナモンって言うんだけど。今、デジヴァイスの中にいるから。」
「そうなの?私はホークモンって言うんだけど、幼年期だからポロモンなのよ。
デジタルワールドに行くと、進化するんだけどね。」
「ふーん…………。」
京の案内で美月がパソコンルームに到着すると、そこには他に数人の生徒がいた。
「あ、泉先輩、こんにちは!」
「やぁ、京君。待っていましたよ。……そちらの方は?」
「初めまして、物吉美月と言います。今日、転入してきました。」
「あ、そうでしたか。僕は泉光士郎と言います。よろしくお願いします。」
「はいこちらこそ。」
「先輩、聞いてくださいよ、彼女もデジモン連れているんですよ!」
「そうなんですか?どういったデジモンを連れているんですか?」
「あ、ちょっと待ってください。今、デジヴァイスから出します!」
そういうと美月はデジヴァイスを取り出して、ルナモンを出した。
「ふぅ、デジヴァイスの中は退屈だよぉ…………。
美月、楽しそうにお喋りしているから、羨ましいなって思った。」
「ごめんね、ルナモン。今日の帰りにまたプリン買うから。」
「わぁい、やったぁ!」
「………何と。君のデジヴァイスはデジモンを収納することができるんですか?」
「ええ、まぁ…………。」
続く。