2016-1-31 12:01
なんだったか今や判別不可能。
色を失って、木のように硬く太くなったハーブの枝。
手折ろうと指に力を入れたら、ポキリと軽快な音を立てた。
しかし折りきれず、
白茶のカサカサした皮が破れただけ。
間から、鮮やかでしっとりした黄緑色の太い繊維の束が覗いた。
雪解けの水を吸っていた。
春はすぐそこ。
2016-1-29 22:58
棺の中は、
みんなの、祖母への想い、願い、記憶でいっぱいだった。
好きだったもの
印象的なもの
手紙、たからもの
パズルのピースを組み合わせるように。
さいごは祖母の顔が隠れてしまいそうなほど、ぎっしりと生花をつめた。
それはまるでレリーフのようだった。
パズルのようだったのは
棺の中だけではなかった。
誰かの一言から
きょうだい達のもつ
記憶を繋ぎ合わせることがあった。
姉曰く。妹、弟曰く。
断片を繋いで繋いで
全てがつまびらかになって初めて
「え、それって、もしかして…」
と、わかったことがあった。
胸が締めあげられるような切なさがこみ上げたけれど
誰もがじっと静かに堪えていたから、僕も、静かに受け止めるにとどめた。
おばあちゃん、僕は、そんなおばあちゃんの孫であることを、より誇らしく思います。
僕も、同じくありたい。
2016-1-28 22:43
母の、さいごの悲痛な叫びと姿が焼き付いて離れない。
前を見続け、母を抱き締め続けた父親が、強かった。
僕らこどもはなにもできなくて
母と父、そして無抵抗に吸い込まれてゆく棺に、視線を往復させるしかなかった。
でもわかる。
ガバッと口を開けた炉の入り口の残酷さ。
金属の冷たさと
無機質な白さと、影。
僕もねゾッとしたんだよ。
通夜よりも
告別式よりも
一番つらかった。
さいごだから、じゃないよ。
あのつらさは。
僕も、いつかのこと、耐えられそうにない。
2016-1-28 22:36
「よろしく!」の一言で、お願いできちゃったのは助かった、と母。
迷惑じゃなかったか、よかった
(まだ引きずってたか)
これまでドタバタの中でも笑いが多かったから
通夜も、涙滲むくらいかと思ってたけど
やっぱ穴という穴からダラダラだった。
喪服の撥水加工が実力発揮して、涙が全部玉になって、キラキラ縦に並んでるのを見て
パール=涙って言われるのがわかった。
周りの人は
それでも悔いの残る家族を労り、
子や孫がたくさんいれば、
そういう場も自然と賑やかになって
笑いが増える。
実務的に、すべき、と思わないが
感情的には、それがいいと思う。
結婚。子孫。家族。
2016-1-27 10:05
手伝いに実家に帰ったけれど、あれでよかったのかな。
かえって「仕事」を増やしてしまったような。
上司も、
「右も左も分からないだろうから、孫はね、言われたこととか、細々したこととかやればいいの。」
て言ってた。
じゃぁ迷惑だったかな。。。
たしかに、
段取り理解して、手配するので精一杯のところに
「なにしたらいい?」
なんて聞いてもね。
ごめん。
今更過ぎたことウジウジしても遅いんだけどね。
僕の悪い癖。
不安に駆り立てられて動いちゃうのも、
後で自己嫌悪するのも。