うーん、深いなぁ…。
私はこの映画と「クリムゾン・リバー」を混同してて、一度見たと思ってたし見たくなかった。でもとっとと済ませちゃおうと思って見たら、まったく全然違うし、すごくいいし、良かった。
もしあのとき車に乗っていたら…。もしあのときいたずらをしなければ…。もしあのとき、もしあのとき。
誰でも思うことだけれど、一度体験したら後には戻れない。トンネルを潜ってしまったら、どんなに望んでも入る前には戻れない。

「自分の夫を疑ってそれを人に言うなんて…」

私も少し思ったけど、無理もないなと思う。頭ごなしに人を否定する人間も嫌だけど、頭ごなしに信用する人間も危険だ。「私は夫を信じてる」。その言葉で多くの妻が闇に落ちる。
私も彼を信じてるけど、それは意見の交換があるからこそ。でも意見の交換をし合うためには、お互いにそれだけの力が必要だし時間も要る。努力がいるの。簡単にはできない。

悲しい映画だった。ほんの少し、あと少し。これがなければ、あれがなければ。
でもジミーの言うとおり、あったからこそ生まれたものもある。死があるから生まれてこなければ良かった。そんな風に思うこともあるかもしれないけど、死があるから生きられる。安全と孤独の中でゆっくり死ぬなら、短くても愛情深い人生を送りたい。私はそう思うな。