我らがアルバトロスがまたもやまたもややってくれました今回はきちんと感想を書きたいと思います。
1989年、テムズ川で実際に起こった事件を映画化したものです。レンタル店ではパニックムービーの棚に置いてありましたが、私は社会派ドラマだと思います。
この映画



に近いかな。事故の悲惨さ、船舶運行のずさんさ、責任の所在の追及の甘さなど、被害者側の立場に立って疑問を投げかけています。

「真実を明かすことで初めて前進できるのです」

そもそも、何を持って前進とするんだろう。彼らは逆に、事故を終わらせたくないように見えた。前進しないのは彼ら自身の問題。事実はある意味で、既に明かされてる。私にとっては他のどんな問題より、それが重要だな。

様々な怠慢が重なって大きくなってしまった事故。でも、誰も責められない。事故は起こるものだし、原因も結果も複合的だもの。
お酒を飲んで船に乗ってしまう船員、それを当たり前にしてしまう船会社、彼を船員と知っていて酒を出すバーテン……。責任の所在を追及し出したら、きりがなくなっちゃう。みんなどこかで悪い。もちろんその体質を、気付きながら見てみぬ振りをしてきた人たちも。

どうして仕事があるってわかってるのに、お酒を飲むのかな。そんなに彼には、お酒が必要だったのかな?
みんな何かの理由があってお酒を飲む。純粋にお酒を楽しめる人もいれば、そう見えて頼っている人もいる。お酒を飲むことで楽しい会話ができる、スムーズな人間関係を築ける、恐れずに人と対話できる、臆さず自分の意見を言える…。頭がぼーっとするから、何も考えなくて済むって人もいるかな
でもそういう人を責められない。彼らをそうにしたのも、きっと彼らだけが原因じゃないもの。

手を掴めたのに、助けられないこともあるんだね…。人を助けるって、大変なことなんだ。
改めて考えたことなかったけど、そりゃそうだよね。人一人引き上げるんだもの。みんなで協力して、大変そうだったけど、すごかった。

愛する人を失うのは辛い。私もとても怖い。想像すると、息ができなくなりそう。
だけどそのときに、自分を救うのは、誰かを責めることではないと思う。愛する人のためにと言うなら、愛する人のために自分を大事にしてほしい。相手もあなたを愛してる。あなたの太陽が沈んだら、きっと胸を痛めるよ。

おしまい。