ある日、老姉妹の暮らす海辺に青年が打ち上げられる。彼の介抱をするうちに老姉妹の生活は変化し始めた。
バイオリンの美しい音色と共に送るラブストーリー。

※AMAZONの商品説明に“記憶喪失の青年”とあるけれど、ちょっと違う。なぜ海難事故にあったのかわからないだけで、他の記憶はしっかりしていた。


期待していなかったけど意外と良作。
始めは吹き替えで観始めたけれど、青年と言葉が通じず拙いドイツ語での会話となったところで字幕に変えました。言葉の違いを楽しみたかった。
最終的にこれは正解でした。映画のラストまで、言葉の違いは頻繁に演出に使われます。この映画を鑑賞されるなら、ぜひ字幕をおすすめします。


不思議な映画だった。特別取り上げるような盛り上がりもないのに、スムーズに映画に惹き込まれました。表情や言葉尻から想像させる演出もいいです。登場人物の過去や心情に思いを馳せるのは楽しかった。

また、映画のキーパーツとなるバイオリンが素晴らしい。音楽にはまったく詳しくないけれど、アンドレア(ダニエル・ブリュール)の演奏には息を呑むパワーがあった。
本当にあの俳優が演奏しているのか、気になって調べてみたところ、演じ手はジョシュア・ベルというバイオリニストでした。やはりあの技術は一朝一夕で身につくものではないのですね。長年重ねた努力も、彼の奏でる音から伝わるパワーの一因でしょう。

それから、細部まで行き届いた演出も良かった。
ラストのカメラワークにはちょっと笑ってしまったwゆっくりと客席を眺めるカメラが止まり、ここで終わるのかな…?と思ったら?


衝撃や刺激はないけれど、微笑ましい気持ちになれるいい映画。おすすめです。



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